静寂と、ことばの在処

こころの奥処。 ことばの在処。 ことばの居場所を求めて。

孤独という破片

なぜ、嬉しかったのか。

なぜ、かなしかったのか。

ぼくはいつも、考える。

 

ひとつだけ、分かったこと。

それは、嬉しさには『 ことばのやさしさ 』があったから。

かなしさには、『ことばの痛み』を感じたから。

 

誰かや、何かから離れたいと思いながら、

結局は求めずにはいられないんだ。

 

孤独にひとは勝てない。

そんな自分が嫌になってしまっても。

変わらないもの。

あれだけたのしいと思っていた場所も。

自分に必要だと思っていたものも。

 

たのしいとも、必要だとも思えなくなっていた。

 

場所も、時間も、形を変えるんだね。

ひとのこころだけじゃなくて。

 

本当にたのしいと思えるものってなんだろうね。

 

 

変わらないものが。

変わらずにそばにいつづけるものが、欲しくなる。

 

 

 

必要ないと思えば、僕たちは切り捨てていくんだよね。

老舗のお饅頭。

お礼の品を買いに少しだけ外へ出た。

 

旅館の看板と併設されたお饅頭屋さん。

ショーウィンドーを眺めていると

『中へ入ってみていいですよ』と声をかけてもらった。

 

聞くと70年も続く昔ながらの老舗とのことだった。

 

お饅頭の詰め合わせと、自分用のおはぎを買った。

 

手作りの、やわらかなあんこの味わいがこころを

ほっこりさせてくれた。

 

おはぎのあんこはどうしてあんなにやわらかいのだろう。

 

老夫婦の二方が、とてもやさしく話をしてくれた。

バーバラ夫人とぽっぽちゃん。

バーバラ夫人と、ぽっぽちゃん。

 

バーバラ夫人とぽっぽちゃんの関係性が好きだった。

私の好きな本『ツバキ文具店』

 

主人公、鳩子を気にかけてくれるご近所のバーバラ夫人。

 

ドラマがきっかけで書籍を購入した。

その話をある人にすると、その人はすぐに本屋さんに文庫本を

買いに行ったと話してくれた。

 

私の興味のあることは、親身に聞いてくれた。

 

あの人は、どうしているんだろう。

 

花が好きだと言って、好きな花を教えてくれた.

旅先の森の写真を送ってくれた。

 

バーバラ夫人と鳩子の関係みたいな、私たち。

 

今日の色を忘れた少女

息をすることすら忘れるように眠って。

 

いつのまにか夜は更けていて。

 

今日の色を忘れた少女は、星を縫って、星座を空に描きました。

 

きっと、明日の色も彼女は忘れてしまうのです。