目指したい場所があることは、
ぼくの希望になっていた。
だから、ぼくの成し遂げたいことの扉までは
閉じないでいたい。
すべてを失ったような気がしていた。
でも、そう思ったらぼくはもう歩き出せなくなってしまう。
ねぇ。
まだ、あるかな…
この手の中にまだ…。
ここは少しだけ、寂しいよ。
誰かの声も聞こえない。
でも、何かを気にすることもない。
もうしばらく、眠るよ。
世界を伝えるのに、言葉だけじゃなくても
いいのかもしれないね。
失ったものを見て絶望していても、
さらなる絶望が見えるだけ。
何かをまた、作り直せばいい。
日向ぼっこをしていると陽光がそう教えてくれたような気がした。
悪夢にうなされていた。
ズキズキする頭を押さえながら薬を飲みに行く。
いただきもののプリンを少し口にすると
苦味が飽和された。
悪夢の中での眠りにいいものなんて、なかった。
ここから見える澄み渡る空に、朝の訪れを知る。
つかめば破れそうな、ちぎれ雲。