静寂と、ことばの在処

こころの奥処。 ことばの在処。 ことばの居場所を求めて。

自由という翼。

何かが、崩れてゆく。

 

きっと、封じ込めていたものが外へ還って行く。

 

『自由でいたいんだ』

そうして、羽根を落として空へ飛び立とうとする。

 

しがらみや抑圧で巻かれたミイラに、ぼくはなりたくなかった。

 

静止した信号が横断歩道を赤に染めた。

その赤を見つめた先には夜が泣いていた。

 

息を止めさせるような濁りが、染み込んでゆく。

 

夜は更けなかった。

ぼくは更けなかった。

 

手にしたいのは、自由という翼。