今考えているこのことと、
向き合った方がいいのか。
もうこのまま知らないふりをして、
奥へ押しやった方がよいのか。
ずっと、考えていた。
鋭いものでも、傷つけるものでもなかった。
それなのに、すごく落ち込んでしまっている自分。
きっとそれは、鋭いものではなくとも、
自分にとって小さけれども、
それが痛みだったからだ。
心配して声をかけてくれたやさしいあの人のことばに、
ぼくは本当に、本当に、泣きそうになった。
つらいときの、やさしさに触れた瞬間、
なぜ、あんなに泣けてくるのだろう。
それはきっと、
自分の隠された思いが、やさしさに触れて砕け散るから。
それはきっと、
隠された泣きたいくらいの想いが、溢れ出すから。
隠された想いが、隠せなくなってしまうから。
やさしさに触れることによって。
本当は、涙がでるくらい嬉しかったこと、
伝えたかった。
うまく伝えられなかった。
やさしさを、やさしさで返したい。
それができるひとに、ぼくはなりたい。