太陽をまっすぐに見られないような、黒いベールが少しだけ、
いいや、薄く透けるような黒になりつつあるのを感じた。
このまま、死んでしまうんじゃないかと思った。
それでも、やさしさで包み込んでくれる人たちが
ぼくを掬ってくれた。
手を差し伸べてくれる人が。
支えてくれる人が。
ぼくを生かしてくれるんだ。
そのやさしい手に。
やさしい声に。
その手を取って、いっしょに歩き出したいと思うんだ。
やさしさって、光だ。
誰かが差し伸べるその手がある限り、
ぼくは生きていけるのかもしれない。