詩
今日、雨が降ることは知っていた。 だから傘を持って出かけることにした。 いろんな場所を巡った。 数ヶ月ぶりの病院。 窓からは枝に雫がいくつも下がっていた。 雨の風景を一日中眺めていた。 雨に濡れて萎れた花を、撮った。 思い出したくないことばかりを…
誰かの記憶に残れないことを、 どうしてこんなにかなしみを抱いてしまうのだろう。 もうとっくに、忘れられてしまったというのに。
ブラックばかりを引き寄せてしまう今のぼくは、 白の色を忘れてしまったのかもしれない。 眠りと覚醒を繰り返しては、 痛みという歪みの中にいる。 屈折した位置からは、すべてがブラックに映る。 人間の性が露呈する。 誘き寄せられる闇に飲み込まれては、…
雪が、降った。 寒波。 閑波。 間波。 小さな、手にできないほどの雪。 ちらちらと、目の前を通ってゆく、雪。
きみを追いかける雲 ぼくを追いかける雲 月の朧げ 痛みの記憶 ふたご座流星群 消せないことば 消えないことば
きみがよろこぶから。 そんな理由でいい。 そんな理由で生きていい。 僕たちはいつだって深淵にいて、 綱渡りをしながら一歩を進めているんだ。 きみがよろこぶから。 そんな理由でぼくは書いている。 そんな理由でぼくは、生きている。 そんな理由で。
">痛みにぶつかりながらも、 ">この吹雪の中を歩いてゆく。 ">視界が狭まり、前がみえなくても、 ">足元を確かめながら、道を進む。冷たさが、ぼくを傷つけようとも、 ">阻むものが立ちはだかろうとも、 ">ぼくは歩いてゆくよ。手をつないでくれる人がその先…
余白がないと、ぼくは息ができない。 喧騒の中では、ぼくは息ができない。 きみの余白を、ぼくにちょうだい。 そうでないと、ぼくは深海に沈んでしまう。