一進一退。
一歩進んでも、また一歩下がる。
進んでいるのか、いないのか。
進んだ時にはうれしくて、
下がった時にまた、表情が曇る。こころが曇る。
少しずつしか進めないことをわかっていても、
また退くのなら、それは一歩とは言わないんじゃないだろうか。
一歩でさえ、喜べない。
この一歩には、その足を引っ張る何かが付随している。
そう思うと、晴れ間も、晴れ間に見せかけた影なんじゃないだろうか、
という気がしてならない。
どんなときにも、影が散らついて、進むのさえ、こわくなる。
いや、進むのがこわいんじゃない、
その一歩が、本当の一歩なのかがわからないから、こわいんだ。
それは、白い一歩か。黒い一歩か。
信じていい一歩か、そうでない一歩か。
変化し続ける痛みに翻弄される。
夜は、明けたはずじゃなかったのか。